リハビリの先生(理学療法士、というのでいいのか?)が、
祖母の発作的むせび泣きを指して「感情失禁」という言葉を使っていた。
なるほど、そういう感じなのだろうか。
検索すると、脳梗塞性の痴呆などの症状として出てくる。突然怒り出したりするケースもあるらしい。
このまえ、体位の問題を書いたけれど、あの日は確かに体位を変えてあげたら嗚咽はすっかり収まって、
「寝る方向がイヤだった?」と聞いたら祖母は確かに頷いたのだった。
でもその後の観察で、嗚咽しているときはとにかく別の世界に行ってしまっているようにも見える。
慰めるよりは、呼んだり身体をさすってあげると「戻ってくる」という感じでおさまったりする。
それが、何かイヤなことを能動的に訴えようとしているのか、
それとも無意識下に感じた身体的にイヤなことが脳に信号を送っているのか、悪い夢を見ているのか、
それとも何も関係なくて、突然しゃっくりでも出てしまうような発作なのか。今のところわからない。
でも、ワタシが呼ぶと収まるのが早いような気がするんだ。
うぬぼれかもしれないけれど。調子のいいときには、日ハムが新庄の宣言通り優勝したんだよ、
なんていう話題に頷いたり、笑ったりしてくれる。(祖母はスポーツ観戦好き)
脳梗塞の予後は急性期(発症後一週間を指すとか一ヶ月を指すとか検索した限りではマチマチ)と
慢性期(とりあえず急性期以降ずっと)と分けるらしくて、倒れて
1ヶ月半がたとうとしている今の祖母はもう慢性期になるのだろう。
嗚咽や、それに伴う唸り声の発声だとか、手が大きく動くようになったのだとかは、
1ヶ月くらいからの症状だ。こちらの言うことへの反応がはっきりしてきたのも、
それくらいからだろうか。
急性期には回復の幅も大きくて、
慢性期になるとだんだん症状が固定されて行くということらしい。
3ヶ月で8〜9割、6ヶ月で9割以上の回復が終了するということで、
変な言い方だけれど、今が勝負なのだと思う。
祖母が倒れてすぐは、応援してくれていた学位も取れていなくて
(もともとは去年卒業するつもりだったのに)、
ひ孫を抱かせるどころか花嫁姿だって見せられていないし、
とかいうことまで考えてものすごく落ち込んでいたのだけれど、
翻ってみれば、学位取れていないのでまだ学生で、子供も旦那もいない独身実家暮らしなので、
祖母と遊べたのだったし、今、見舞う時間もとれるのであった。
今年はなんとしても卒業したいし、自立したいし、
悪いふうに開き直っている場合ではないけれどそんな気持ちの転換がありました。
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