11月歌舞伎のチケットを1枚だけいただいたので、ひとり歌舞伎。
今年二度目の歌舞伎は伊賀越道中双六でした。
最後の敵討ちが派手でよかった。
国立劇場へ来るのは、2007年以来。
2007年の夏に祖母が倒れ、
それまで毎月のように一緒に通っていた
国立劇場の歌舞伎へ行く機会を失った。
祖母が倒れる前にとっておいてくれたチケットで
母と二人で観劇させてもらったのが最後だったので、
しっかり記憶に残っている。
その、母と来た時には
祖母とは意思の疎通はうまく図れていなかったけれど
それでも意識はあったし…なんというか
普通に観劇が出来たのだけれど、
今回、祖母がいなくなって、初めて来て。
永田町の駅から国立劇場へ行くには、階段が多かった。
祖母と一緒なのでゆっくり歩いた。
下りの階段では私が先に。
昇りの階段では私が後に。
エスカレーター、エレベーターを使えるところは使うので
位置は覚えてる。
最後の頃は、永田町経由は難儀だと、
東京駅からタクシーで来ることが多かったな。
あっという間に着くのでよかった。
永田町駅から国立劇場への道沿いの
ビルが大きく建て替えられていて、
駅出口近くから劇場のほうへ、公開空地を通って
抜けられるようになっていた。
緩やかだけど、階段だから、祖母がいたら
ゆっくりゆっくり歩いただろう。
手摺がほしいと言うかな。
でも、通りやすくなってよかったと言うだろうなと。
ごく普通に湧いてきて。
常日頃、ずっと祖母のことを考えているわけではないけれど
その、去年、野田地図「エッグ」を見たときだとか
今回だとか、何かが引き金になって突然押し寄せる感情の起伏に、たまに驚く。
長く長く一緒に過ごしたひとを亡くしたのだなあと思う。