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April 30, 2011

*お別れ

ずっとお世話になっていた建築家の方が亡くなられた。
10年ちょっと前に知りあって。その頃からずっと「おじいちゃん」というイメージだったけれど、逆算すると最初にお会いした頃は60前だったはずで、今の自分の父よりずっとお若い。失礼だった…と思ったけれど、今日のお通夜で飾られていた建築作品の写真や著書のコーナーにあった若い頃の写真を拝見して、「おじいちゃん」イメージを私に植え付けていた、ぴかぴかの広いおでことふさふさの顎ひげは、恐らく20〜30代の頃から変わらない風貌であったと知って、おかしくって、でも本当にこのお姿がトレードマークであったのだよな、と泣けた。
私の職場である大学に、ちょっと前まで頻繁にいらしていて、廊下から目が合うと「よっ、元気か」と聞かれるのが当たり前になってた。学生たちと一緒に別荘にご招待、のつもりで出掛けたら、庭の草むしりで大変な思いをしたりもした。
何よりも、私がこの道に進むきっかけとなった「同潤会江戸川アパートメント」を、深く深く愛していた方だった。もっとお話しをしたかった。叱られたかった。恩返しをしたかった。
心よりご冥福をお祈りします。

April 28, 2011

*渋谷の夜

前々からの約束で、久しぶりの渋谷へ。
人の多さは震災前と変わらないくらいになっていたと思うけれど、スクランブル交差点は確かに暗くなっていました。
雑踏を抜けてBar Bossaへ。
宇田川町のワインバー。初めて連れてきてもらったのはいつだったでしょう。遅い時間に一杯だけ、ということが多かったので、ワインではなくモヒートを頼むことが多かった。モヒートというお酒もここで覚えたのだったと思う。今でもここのモヒートが一番好きかも。
…そんなお店が4月から食事のメニューが出来たというので出掛けたかったのです。
テリーヌとチリ・コン・カルネをいただく。とても美味しかった(チリコン…を辛がっていたのは置いておく)。次はムケッカをいただきたい。COEDOの白・黒・紅も登場して、個人的に嬉しい限り。

はしごして、Barquinho
こちらで、モヒートをいただく。こちらも美味しいです。w
友人合流で、おしゃべりに花が…咲いたはずですが記憶朦朧。
バルキーニョも、お食事メニューが増えている。おなかいっぱいでごめんなさい。次はナポリタンを頼みたいです。(bossaでムケッカの後に?)

結構な酔っ払いとなって帰宅。
酔いより眠気に襲われた感じ。めっきり体力が落ちました。

marime.jpg
マリメッコ風の花。

April 23, 2011

*稲垣史学の地平

私のボスの、その先生である稲垣栄三先生。
亡くなられて10年ほどたつその先生の著作集が先だって刊行され、今回の建築史学会大会での記念シンポジウムとなりました。

帰宅後のtwitterから感想と自戒。

●「稲垣史学の地平」稲垣先生の弟子である上司のおかげで、著作集の四・茶室・数寄屋建築研究「ガンギニシトム」、また七・歴史的環境保存論「ミューズの幽閉」等に直前に目を通していたので、コアなところも概要を押さえながら聞くことが出来ました。それまで近代建築しか読んでいなかったのを反省。
●個々の実証を積み重ねるのとは少々異なり、構想ありき、理念ありきでまず概論を書き上げる稲垣史学。服部之総の影響。増田友也先生との親交。「日本の近代建築」が丸善から出た経緯…。東大建築史学の潮流を整理しながら、広大な範囲にわたる研究のそれぞれの論点を示してもらい、面白かったです。
●私のボスの「歴史学は解釈学である」という姿勢も、稲垣先生からの流れなのだと理解。
●知識の湧き出る泉が欲しい。いや、自分で掘って潤すのだな。私の「30代で成し遂げた仕事」は何になるのか。

シンポジウム後、工学部から移動しての農学部構内会場での懇親会から早めに離脱して、友人との約束に出掛けたのですが、慣れない農学部で、夜で、照明なくて、大雨で、何か工事現場で通れなかったりする個所もあって…。迷いました。iPhoneのマップも、どこに門があるかは教えてくれないんだもの…。

April 20, 2011

*「国民の映画」

三谷幸喜舞台、今年ふたつめ。
三つ目は、チケットとれなくて無理そうです…>ベッジ・パードン

「国民の映画」はナチスの宣伝大臣ゲッベルスと1941年ドイツの映画関係者、ナチスの軍人たちのドラマ。前回の啄木が3人芝居だったのに対して、(敬称略!)小日向文世、段田安則、風間杜夫、白井晃、小林隆etc.…今回は錚々たる12人の役者が、ほぼ3時間出ずっぱりで演じる。それだけでもうおなかいっぱい。
重いテーマを、重いまま、でも上手に笑わせながら、動かして行くこと。舞台はゲッベルス邸での一夜・一場面だけで、その中で丹念に、ゆっくりと、人間模様が描かれていく様に、持ってかれっぱなしでした。個人的には、執事役の小林隆が。三谷舞台では「オケピ!」で見たことがあったのですが、そのときの記憶では、小柄な人というイメージが残っていたのに、全然そんなことない、すらりとした長身の役者さんでありました。役によって、何だか身体の大きさまで演じ分けていたかのような。こちらの勝手な思い込みなのだろうけれど、すごいな。

会場は神奈川県芸術劇場KAAT。今年出来たばかりだったのね(1/11オープン)。きれいでよかったです。開演前のアナウンスで「携帯電話抑制装置を作動させます」のようなことを言っていて、iPhoneは本当にそれまでは入っていた電波が入らなくなりました。すごい。…と思っていたけれど、舞台後半のこれ以上ないくらい緊迫した沈黙が支配する場面で結構長く携帯電話鳴らしていたオバカさんがいて…完全に遮断するわけでないのか、アラームだったのかはわかりませんが、ああもう、なんてことを!と心の中でゲンコツ握っておりました。

April 17, 2011

*日常を送る・出来ることを考える

桜が咲いて(もう散って)
前期の授業が始まり(遅滞なく始まりました)
プロ野球も漸く開幕し(漸く燕も勝利し!)
春になった、とやっと思う。

今日は土浦まで行ってきました。
地震で被災した煉瓦造の蔵の検分。
診断して、補修の提案…まで私は出来ないので、
専門の方々の話を聞きつつ現場で図面作成の手伝い。
こういうときに実務で役立つ知識も欲しいと思ったりする。
出掛けて行って、現場で倣う/習うしかないかな。
renga.jpg

April 16, 2011

*異世界へ

ブラウザのブックマークを整理していて
何年か前にはまったゲームを作成したユニットのウェブサイトを覗いた。
http://amanita-design.net/
このひとたちの作ったSamorostというゲームがすごく気に入って
有料版まで手を出してその世界に遊んだのでしたよ。

独特のアニメーションでつくられたステージを
クリックでもろもろ解いて進んで行くだけなのですが
頭も使うし、絵も楽しめる。
新作が出ていて、すでにデモ版をやってみて
とっても買いたくなってるのだけど、
はまったら時間とるよな…と、考え中。
Machinarium
machinarium-.jpg

そしてこんな感じの世界…で、ついでに思い出したのが、今上映中のアニメーション映画
イリュージョニスト
アニメだろうと映画はほぼ見ないのですが
私にしては珍しく劇場で観た上にDVDまで持っているアニメーション「ベルヴィル・ランデブー」の監督シルヴァン・ショメが手がけてると聞いて興味を持ってます。…脚本ジャック・タチには特に反応出来ないあたり、映画駄目ぶりを発揮してるかもしれません(「僕の伯父さん」だとか、タイトルは知っているけれど、こちらはもちろん観たことがない)。

April 7, 2011

*そして新年度

前回の更新後は…
同僚の結婚式があったり(良い式でした。お幸せに)
急遽、京都大阪へ旅したり(吉田屋料理店にも行ってきました!)
福島が実家である友人の話を聞いたり(言葉失う)
実家へ戻ったり(実家周りは液状化の被害いろいろ)
そのまま体調崩して寝込んだり(胃痛→絶食で漸く復活)

気付いたら4月も一週間経過。

何をどこまで恐れなければならないのか、判断に迷うけれど
それでも考え考えやるしかないな。
落ち着かないのを、仕方ないこと、と言い訳にして
やるべきことをやらないでいる方が問題だと。

いろいろ素敵な写真もたくさんありますが
最近のヒットの一枚。
taiyounotou.jpg
初めて見ました。
こんなに大きいだなんて、思ってなかった。素直にびっくり。そして何やらよかった、とても。でも、目的は太陽の塔ではなくて、万博公園の中にある国立民族学博物館で開催中の梅棹忠夫展でした。民俗学者梅棹忠夫の、フィールドワークのかけらを集積して、その「知」の有り様を俯瞰させてくれるというか。圧倒される言葉の、写真の、紙片の、数々。なんというか、地に足着いた、知の蓄積。ひたすらに面白かったです。