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October 21, 2013

*MIWA

野田MAPの舞台、
The Bee、エッグにつづいて、三回目、MIWA。
夫の趣味なのですが、一気に引きこまれてしまっています。

私の観劇経験は、数で言えば恐らく最も多いのは歌舞伎で、
現代劇では、三谷幸喜、あとは、ラーメンズにコバケン。
間に数回、アトリエ・ダンカンとか二兎社とかのプロデュースのものetc.…
そこに、野田秀樹ですよ。

これまで、
ここまでものすごい密度とスピードで、
濃厚な時間を提供してくれる舞台は体験したことがなかった。
野田さんが随一です。
観に行った三作ともそう。
ちょっと悪く言うと、なんてくたびれるお芝居!とも。
すごい集中力が求められます。

The Beeのときは感想を書いたけれど
実は、「エッグ」のときは
こちらの心がぐらぐらしすぎて、
何も書けなかった。
どこも架空の世界なのだけれど、
「エッグ」では、戦中の満州(のようなところ)が描かれていて、
ちょうど祖母を亡くしたあとで、
その祖母の暮らした天津に行ってきたばかりだった私は、
芝居の幕が降りた瞬間涙が止まらなくなったのだった。
祖母の死後、初めて
あんなに泣いてしまったのだけれど
自分でもその理由がよく整理できなかった。
何か、こじ開けられたのだなあという感触。

今回は、「MIWA」。
単なる美輪明宏物語では全然なくて、
その人生をなぞりながら
宮沢りえと古田新太が一心同体ならぬ二身同体の
主人公を演じる。
野田秀樹が狂言回し。

宮沢りえが、すごい。
The Beeでも思いましたが、こんなに舞台映えする女優さんだったのか!と。
繊細な美人なのに、圧倒的な存在感。
この人にしか出来ない、MIWAでした。
古田新太がうまいのはわかってる、というのに対して、
青木さやかもよかった。
去年、三谷チェーホフで見て、舞台にも出てるのねと
思ってたら、今回で二度目とは。桜の園よりよかったです。
他の若手俳優さんたちが、どうしても影が薄いのに対して
顔が濃くて声が通るので、存在感が素晴らしい。
もっと場数踏んでうまくなって欲しいわ。
あ、池田成志さんはさすがの存在感でした。

あとは要所要所で使われる実際の美輪明宏の歌声も素敵で。
いつか生で聴いてみたいね。
miwa2013.jpg

制作発表のレポート
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2013/0823164946.html

日経の記事。リンク切れてしまうかしらん。
http://mw.nikkei.com/tb/#!/article/DGXNZO60899340Q3A011C1000001/