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February 12, 2011

*建設現場のはなし

ちょっと大ごとな修士の提出が無事終わったのを見届けて、こちらのイベントに行ってきました。
第2回ニッポン建設映像祭
UCFM…Under Construction Film Archivesという、建設や工事記録の映像アーカイブを整備しようとしている団体の主催で、収集した映像を見せてくれるというイベント。第1回が大阪の大阪ガスビルで、その建設当時(戦前!!)の映像を見るというのをやっていて、すごーく見たかったの。

第2回がパレスサイドビルというので、職場から10分。喜んで出掛けてきました。
「その建物の建設工事映像を、その建物内で見る」ということにもこだわってたそうで、本日の1本目はパレスサイドビルの建設記録。リーダーズダイジェストビル(パレスサイドビルの敷地に建っていたレイモンドの傑作)取り壊し映像から始まって、うわー、と思う。ゲストの藤岡先生の解説が、くすぐられるエピソード満載でこれまた楽しい。続けて、三巨匠の東京での作品映像。国立代々木第一体育館/丹下健三、蛇の目ミシンビル/前川國男、中銀カプセルタワー/黒川紀章。

それぞれ20分前後の映像なのですが、とにかく面白かった。工事現場を見る面白さそのものもあるし、当時の最先端技術をいかに実現したかのドキュメンタリーもわくわくだし、時代背景を示す映像に目を奪われたり、若かりし日の林さんや黒川さんににやにやしたり。
会場が一番湧いたのは、代々木体育館の記録映画のタイトルが「かわった形の体育館 -オリンピックのために-」であったというところだったろうか。しかしあの吊構造の施工はすごかったです。中銀のカプセルの施工だとかも。滋賀のコンテナ工場で造って運んできたんですってよ。もろもろが手作業だった時代の、工夫と、精度ってのはタメイキもの。単なる「萌え」だけで済まされない、深い感動がありましたよ。大げさかも知れないけれど。面白かった。ほんと。

見てきたのは「昼の部」で、なんと無料。これ、全然有料でやってよいイベントであると思います。映画をちっとも見ない私が主張するのも変だけれど、1800円でも払うよ、私。DVD出たら買う。本日「夜の部」は有料で、そこではスバルビル、新宿新都心、千里山団地、東京タワー、東京カテドラルなどの映像が流れたそう。垂涎。

昼の部終了後、ゲストでいらしていた藤岡先生@東工大が、パレスサイドビルの見どころをちょこっと案内してくださいました。オフィスビルの設計をダブルコアで行う最初期例であり、その採用で多くの問題が解決した話、若手設計メンバーの気概、外壁仕上げの理由、スパンの秘密と高さ制限問題etc.へー、なるほど、と思うことたくさんで、勉強にもなりました。
p_side.JPG
踊り場を設けつつも手摺りが直線となるよう、直階段をどうデザインしたか?とか。(階段下部の「のっけた」ぽい長円の手摺りはバリアフリー対策?の後付けだそう)